なんとも可愛らしいハリネズミが飼い主である私たちになついてほしいと思うのは共通の願いですが、残念ながらハリネズミはなつくことはありません。
それでは、動画や写真で見かけるような飼い主との仲良さそうにスキンシップを取っているのはどういうことなんでしょうか。
実は、ハリネズミは飼い主になつくことはないのですが、なれてもらうことは可能なんです。微妙なニュアンスなのですが、警戒心の強いハリネズミに心を許してもらえるレベルであれば実現できるのです。
今回は、ハリネズミがなつかない理由からハリネズミになれてもらうためのポイントなどをまとめてみました!少しでも長く、そして楽しく、ハリネズミとの生活を送るためにも是非参考にしてみてくださいね。
もくじ
ハリネズミはなつかない生きもの
ハリネズミは臆病な動物
ハリネズミのもともとの怖がりで臆病な基質をもった動物です。基本的には犬や猫のように飼い主などの人間に対してなれやすかったり、相互にコミュニケーションがとれることはありません。
少しでも怖いことや自分を脅かすような出来事が起こったら背中の針を立てて警戒し、時にはその針を立てたまま丸まって何もかも拒絶する姿になります。
ですので、ハリネズミを飼うにあたって、決して触れ合うことに適している動物ではないということを十分に理解しておくことが大切です。
しかしながら、ハリネズミが拒絶するからといってそのまま距離を取ったままにしておくと、飼育環境下ではハリネズミにとっても小さなことがストレスになってしまいます。
つまり、ハリネズミは簡単にはなつくことはないのですが、飼い主やその生活環境になれてもらうことができれば、それはお互いにとって良い結果へとつながるのです。
ハリネズミは個体(性格)差が大きい
ハリネズミは怖がりで臆病な生きものですが、実はその程度は個体(性格)差によるところが大きいのです。
人の手のひらの上で眠ってしまったり、お腹を触らせてくれたり、ときには名前を呼んだら反応してくれるハリネズミもいます。
もちろんこれは飼い主が忍耐強くハリネズミに対してなれてもらうよう努力した結果でもありますが、もともとハリネズミが持ち合わせている性格が比較的温厚だったということでもあります。
このことをハリネズミを迎える前から知っていれば、ペットショップなどで人間や生活音などに耐性があるかどうか、事前に確認することで性格を知ることができます。
ハリネズミを販売しているサイトによっては、どのような性格なのかコメントを載せてくれているものもあります。
この仔はとっても穏やかな仔で、持つ時もあまり針を立てません。抱っこすると大人しく手の中で良い仔にしてくれます。初めて飼育される方でも大変飼いやすい仔だと思います!!
引用:ピュア☆アニマル
なれてもらうことの大切さ
ハリネズミをペットとして飼うときは、人になれてもらうことは非常に大切なことです。
人から餌をもらうことや、人に触られること、人がいる環境になれてもらうことが出来なければ、ハリネズミは日々ストレスを感じながら生きていかなければいけません。
また、動物病院で診察をしてもらうときも人やその環境に抵抗があれば、その都度麻酔をかけたりハリネズミの身体にとって大きな負担となることは間違いありません。
ハリネズミは犬や猫のようになつくことはありませんが、ある程度飼い主をはじめとする人になれてもらうことで、飼い主も嬉しいですし、ハリネズミにとっても安心して生活を送ることができるというメリットもあるのです。
ハリネズミになれてもらうために
ハリネズミを迎えた初日~数日間はそっとしておく
ペットショップやブリーダーからハリネズミを迎えた初日は、ハリネズミにとって突然環境が変わってしまうことで不安やストレスを感じ、とても疲れています。
怖がりで臆病なハリネズミにとっては、ペットショップから飼い主の家までのなれない道のりだけでも大変です。
ハリネズミを迎えた初日は特に気になると思いますが、ケージにいれて水と餌を与えたら構わずにゆっくり休ませてあげましょう。
数日間は急な環境の変化に対応するための準備期間として、スキンシップも控えていたほうが良いですね。
ハリネズミとの生活はこれから始まったばかりなのですから、焦らずじっくり仲を深めていきましょう。
「いつもどおり」にしていることが大切
ハリネズミを迎えてから数日間は、ハリネズミの健康が心配だったり、餌をちゃんと食べてくれるかなと不安になったりすると思いますが、飼い主側が緊張しすぎて変に物音を立てなかったり、ハリネズミに対して意識しすぎることもあまりよくありません。
ハリネズミにはこれから暮らしていく環境での音やにおいに対して、安全であることを学んでもらうためにも「いつもどおり」の生活になれてもらうことは大切です。
ハリネズミが心を許してくれるまで根気強く
ハリネズミにとって人間は巨大な恐るべき存在のように見えているかもしれません。もともとが怖がりで臆病な生きものであることを念頭において、ハリネズミから心を許し、なれてもらえるまで根気よく我慢することが飼い主には求められます。
先述のとおり、ハリネズミは個性(性格)の差が様々なので、ハリネズミになれてもらうためのコミュニケーションが全てうまくいくとは限りません。
ハリネズミが少しでも嫌がっていたら、方法を変えてみたり、少し距離を取ってみたり…毎日同じ場所で生活しているのですから、焦らず、すこしずつなれてもらえばそれで良いんです。
夕方~夜に毎日少しでもコミュニケーションをとる
ハリネズミとの仲を深めるために大切なポイントが2つあります。
- 少しだけでも毎日コミュニケーションをとる
- 夕方~夜の時間帯にコミュニケーションをとる
ハリネズミになれてもらうには、少しの時間だけでもできるだけ毎日繰り返し何かしらのコミュニケーションをとることがコツです。
また、ハリネズミは夜行性であるため、時間帯もハリネズミの生活リズムに合わせて夕方~夜に行いましょう。ハリネズミが餌を食べたあとであれば、気持ちもリラックスしている可能性も高く、コミュニケーションをとるタイミングとしてはおすすめです。
ハリネズミとにおいでコミュニケーションをとる
においや声かけの重要性
ハリネズミは嗅覚が非常に優れています。餌を探す時に鼻を上下に動かして辺りを見回している姿をよく見かけると思いますが、それ以外にも基本的にはじめて出会うものについてはまず「におい」で判断します。
この習性を逆に利用して、飼い主のにおいを嗅がせて覚えてもらうことで「危害を与えない安全な存在」であることを認識してもらいましょう。
うまくハリネズミに認識してもらうことができれば、飼い主に針を立てることも少なくなるはずです。
また、餌を与えるときやハリネズミとコミュニケーションをとる前に声をかけてあげることも効果がある場合があります。
犬や猫のように声をかけて反応してくれるハリネズミはほとんどいませんが、声がするといい事が起こる(餌をもらえる)と関連付けると、飼い主と接するときにも安心することができます。
においでのコミュニケーションの具体的なとりかた
ハリネズミに餌をあげるまえに必ず手を鼻の前に差し出してにおいをかいでもらいます。
十分に手のにおいを嗅いでもらってから餌をあげることを毎日繰り返していると、次第に飼い主への恐怖心も薄らいでいきます。
ハリネズミをケージから出してあげる前に手のにおいをかいでもらってからだっこしてあげます。
ハリネズミにいつもの人がきたことを認識してもらうことがポイント。
ケージのなかに飼い主のにおいのついた、ハンカチやTシャツの切れはしなどを入れておいて、間接的ににおいをかいでもらい、徐々になれてもらうこともできます。
一例としてハリネズミににおいを嗅がせて覚えてもらうことで、飼い主との距離を縮め、なれてもらう方法をご紹介しました。
これらは段階的に行う必要はなく、できるものから実践してみたり、全て意識的に行うことで少しでも早くハリネズミとの距離を縮めることができます。
毎日楽しいハリネズミライフを
さて、今回はハリネズミに飼い主やその生活環境になれてもらうための方法をいくつかご覧頂きましたが、次はあなたがハリネズミとの距離を縮める番です。
可愛らしいハリネズミですが、人が近づいただけですぐに背中の針を立たせて全てに拒絶し、まるまってしまう姿ばかりでは、飼い主とハリネズミ共に生きづらい日々を送ってしまうことになってしまいますよね。
自分の手のひらの上でハリネズミが安心しきっている表情を浮かべる…そんなハリネズミライフはいかがでしょうか。