- ハリネズミの飼育に温度や湿度管理が必要?
- 季節によってどのように管理する必要がある?
ハリネズミの中でも日本でペットとして飼われているヨツユビハリネズミは恒温動物であるため、適応できる気温の範囲であれば自分で熱を放出したり、温めたり調節することができます。
恒温動物とは、気温や水温など周囲の温度に左右されることなく、自らの体温を一定に保つことができる動物。かつては、定温動物、温血動物とも言われた。対義語は変温動物。
しかしながら、この適応できる気温の範囲を超えてしまうと、自身での調節が不可能となりからだに大きな負担がかかってしまい、重度の場合は命に関わる問題となります。
特に日本のような季節の変化のある環境では特に注意が必要であり、ペットとしての環境下(ケージ内での飼育)ではハリネズミ自身で調節することはなかなかできません。
今回は、ハリネズミの飼育の中でも最も大切な要素のひとつである、温度・湿度管理についてご紹介します。
ヨツユビハリネズミの適温
- 温度:23~32度(最適は24~29度)
- 湿度:40%まで
ヨツユビハリネズミは暑すぎる環境や寒すぎる環境には苦手でして、適温を超える暑さの環境では熱中症に、適温よりも寒い環境では低体温症を発症してしまう危険性があります。
地域によりますが日本国内のほとんどの場所では、部屋の中でもこの適温外の状況になってしまうケースは多々あります。
湿度にかんしてもケージのような風通しの悪く密閉しやすい環境下では、簡単に上昇してしまうので注意しましょう。
ヨツユビハリネズミの熱中症
熱中症の見分け方
熱中症になっている(なりかけている)かどうかは、ハリネズミの外見から確認することが出来るので、いつもと様子が違う場合はチェックしてみてください。
- ぐったりしている
- 口を開けて呼吸をしている
- よだれが多い
- 呼吸がはやい
これらの条件がすべてではなく、また必ずこれらの症状が出るわけではありませんが、ハリネズミがぐったりしていれば、すぐに応急処置を行い、動物病院へ連れていきましょう。症状が進行してしまうと、昏睡状態に陥ったり、最悪の場合死んでしまいます。
熱中症の応急処置
- 涼しい場所に移動させる
- タオルなどを水で濡らしたもので体を冷やす
いそいで冷やそうとするあまり、氷など冷たいものを直接ハリネズミのからだに当ててしまうと、平熱よりも下がってしまいかえって危険なので、冷やし過ぎないよう注意が必要です。
応急処置をしてもなかなか状態が良くならない場合は、冷やしたまま動物病院で診察を受けましょう。症状が回復した場合でも、一度動物病院で診察してもらい、専門家からの見解を聞いておくことをおすすめします。
なにか平常時と違うイレギュラーが発生した場合、問題の根本的な原因が分からなければ再発してしまう可能性があります。
ヨツユビハリネズミの低体温症
ハリネズミは種類によっては冬場に冬眠して寒さをしのぐものもいますが、ヨツユビハリネズミの体にはその機能は備わっていません。適温よりも下回った環境で、自分で体温調節が出来なくなってしまうとヨツユビハリネズミは低体温症に陥ります。
低体温症の見分け方
- 動きが鈍い
- 呼吸が少ない
- 体温が低い
ハリネズミが低体温症に陥ると、丸まったまま動かなくなります。
低体温症の応急処置
- ペットヒーターなどでじっくり温める
少しでも早く低体温症から回復させてあげたいと焦ってしまいそうですが、じっくり温めてあげることがポイントです。
低体温症から回復してもまだぐったりしているようであれば、他の病気にかかっている可能性があるので、動物病院で詳しく診察してもらいましょう。
ヨツユビハリネズミの温度・湿度管理のまとめ
ペットとしてハリネズミを飼育する際の温度・湿度管理の重要性を理解いただけたでしょうか。
実は、日本でヨツユビハリネズミのみ飼育が許可されている理由は温度・湿度に自分だけでは対応出来ないことが理由のひとつで、万が一逃げ出して野生化してしまったとしても夏や冬をこすことが出来ないからなのです。
温度・湿度管理のまとめ
- 適温は23~32度
- 湿度は40%以下
- 熱中症や低体温症に注意